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ヒューマンドラマ映画:他人事にしてはいけない内容「グリーンブック」のレビュー

映画好きの知り合いにかなりオススメされた、『グリーンブック』を観ました。パッケージデザインだけは何度も目にしていたけど、何となく観るのを後回しにしていました・・・。
何故もっと早く観なかったんだと自分を悔やむくらい良かったです。

 

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『グリーンブック』のあらすじ

ナイトクラブで用心棒を務めていたトニー。
ある日トニーは職を失い、知人の紹介でとある仕事の面接を受けることに。
雇い主は黒人天才ピアニストのシャーリー。仕事内容は彼のコンサートツアーの運転手だった。荒っぽくて知性が無く、黒人に対して偏見を持っているトニーが、黒人専用の旅行ガイドブックを頼りに、理知的なシャーリーと共に旅をすることになる。

『グリーンブック』のみどころ

グリーンブックはアカデミー賞を受賞しており、世界的に話題になった映画です。人種差別というセンシティブな部分をテーマにおいた作品のため、賞の受賞は賛否両論ありました。
本作品は実話をもとにして作られたもので、人種差別を助長するような内容を含む法律『ジム・クロウ法』が存在した1960年代が舞台となっており、今以上に差別が色濃くあった時代だと言われています。
作品のタイトル『グリーンブック』とは、黒人のための旅行ガイドブックのことで、黒人が安全に利用できる宿泊施設やレストランなどが記載されていた本の名前です。
当時は黒人お断りの施設が普通に存在しており、それを知らずに黒人が入店してしまうと、警察に逮捕されたり、一般人に襲われたり、時には殺されてしまうこともあったそうで、グリーンブックは差別を受けることなく旅行するために必要不可欠な情報源でした。
作品内では、そういった実際にあった差別シーンも描かれているため、心が痛くなる部分がありますが、目をそらしてはいけない、知るべき問題であると言えます。

『グリーンブック』の感想※ネタバレあり

自分がどれだけ平和な世の中に生きているのかという事を実感させられる作品でした。
黒人への差別問題はメディアでしか見たことがなく、酷いなぁと思いつつどこか他人事で。日本でも差別はあるけど、普段生活していて差別を目の当たりにしたことはなくて、私自身が宗教や人種を気にすることがないから、現実にありながらも異世界の話のような気がしていました。
作品内では差別シーンが頻繁に登場しますが、どれも非常に理不尽なものばかりで、これが実際に起きていたのかと思うと怒りとか悲しみとかやるせなさとか、そんな単純な言葉では言い表せない感情が沸いてきます。作品が舞台になった時代は差別が特に酷かったようですが、実際に今でも差別はなくなっていないし、この作品内のようなことが未だに起きているかもしれません。
ほぼ知らなかったと言っていいほど、私の差別に関する知識の中で、『差別?酷いよね、なくなったらいいのに』なんて発するのは、パンが無ければお菓子を食べればいいじゃないと言ったマリーアントワネットくらい軽薄だったと思います。
「無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり」
これからは自分だけでなく、周りの事、自国の事、世界の事に目を向けて、出来ることは行動に移していきたいものです。
作品は差別の中で生まれる友情が大きなテーマとなっています。差別部分だけピックアップして感想を書きましたが、感動と生きる活力をもらえるエンディングですので、何かに悩んでいたり、モヤモヤしていたりする方には是非みてもらいたいです。
それとケンタッキーフライドチキンが食べたくなると思います。私は翌日食べにいきました(笑)せっかくなら、ケンタッキー片手に映画を楽しんでください。
以上、グリーンブックの映画レビューでした。

 

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